無意識にしていませんか。TCH(噛みしめ癖)
2021/01/18
TCHとは、tooth contact habit(歯列接触癖)の略ですが、最近になって多く来院されているように思えます。発音、咀嚼、嚥下などによる歯の接触時間は、正常な方で1日約17分とされていて、何もしていない時には、本来上下の歯は離れているのですが、無意識のうちに歯を合わせている癖をTCHといいます。特に問題を起こさない限り、放置しても構わないのですが、時には、下記のような症状がでます。歯の破折、摩耗、浸みる、噛むと痛む。顎関節痛、顎関節のカックン音、開口障害、舌痛症など。これらの症状がすべて噛みしめからくるわけではないのですが、これら症状の誘因になっているので、悪癖はなくしておく方がいいと思います。この癖は、睡眠時や何かに夢中になっている時に出るので、気づきにくく、治りにくいものです。
自己診断法:お口を開けた瞬間に奥歯周囲の頬内面に筋が入っていたり、舌の側面に奥歯の跡形がついている。エラが張ってきた。口の開け閉めで関節音がひどくなってきている。
治療法:まず、思い切り噛みしめて下さい。1~2秒後にふっと顎の力を一気に全部抜いてみてください。そうすると、上下の歯がわずかに離れるのですが、その位置が理想的なリラックス状態(安静位)です。日常も寝ている時もこの状態になるよう常に心掛けてください。しかし、問題は眠っている時です。まず、枕は低くし、自分にリラックスするよう言い聞かせて眠るようにしてください。それでもくいしばりが改善しない場合には、スプリントがお勧めです。