脳腫瘍がひどくなって奈良医大に入院している従妹を見舞いに行った。病室に入ると、付き添いの叔母がいたので確認できたが、スマートだった彼女の顔はひどくむくれていたので以前の面影は全くなかった。暴れるからと身体はベルトで固定され、かみちぎってしまうおそれから右手には手袋を巻かれていたが、続く痛みとストレスからか力一杯かみしめていた。前歯は、もはや半分折れていた。帰る間際、点滴跡のアザが上半身のあちこちにできている彼女の口からたどたどしく「あ・り・が・と・う・・・」と見舞いに訪れた私にお礼をいってくれた気がした。今回見舞いに行って、変わり果てた従妹を目の当たりにした衝撃で、普段、仕事がしんどいとか、毎日が退屈でおもしろくないとかすぐに不平不満をこぼしてしまうが、無事、何事もなく過ごせていることがいかに幸せかを感謝し、仕事を通して少しでも人のために社会のために貢献することで、自分が生きている存在価値を高めていこうと改めて感じた。