生まれてこのかた、私の１年はいつも伏見稲荷大社への初詣で始まる。本家では元々お稲荷さんの中にある薬力さんを祀っているので、子供のときにはイタコさんに口寄せで神様やその周辺のキツネ、タヌキのお告げを親戚そろって聞かせてもらっていた。お稲荷さんに出かけるとなるとほぼ山歩きの準備をし、現地へ向かう。初詣のほとんどの方は、本殿のみにお参りして帰宅されるが、楽しみはこの後始まる。まず、お馬さんにお参りした後、名物千本鳥居に行く前にキツネ穴にお金を投げてお祈りする。そして奥ノ院では今年の願いが叶うのかおもかる石を持ちあげることで占う。鳥居が続く参道を登り続けること２０分。京都市街がきれいに見渡せる四ツ辻に到着する頃には、耳だけは冷たいが、身体中熱くなり、顔からは湯気があがるようになっている。足は結構パンパン状態。そしてここからが本番。お山一周コースで道は２つに分かれている。１つ目は上りが続く道。もう一つは穏やかな下り道。疲れ切っているのでどうしても誘惑に負けて下り道に行きたくなるが、騙されてはいけない。必ずまずしんどい上りを選択しよう。一の峰まで上りきったら後は楽な下りが待っている。汗がすーとひきながら参道を下りてゆくのは、かなり心地よい。１時間半のお参りをすることで生き方の教訓を諭してくれる伏見稲荷大社へお参りしてみてはいかがでしょうか。おすすめです。